景清窟と十一面観音と人丸姫～鎌倉七口：仮粧坂～

鎌倉七口の一つ仮粧坂の入口に「景清窟」と呼ばれる土牢の跡があります。

平家の残党平景清は、１１９５年（建久６年）、東大寺の大仏殿落慶供養に参列した源頼朝を暗殺しようとして捕らえられました。

その後、鎌倉に送られた景清が閉じこめられたのが「景清窟」だと伝えられています。
（参考：源頼朝の暗殺計画）

伝説によると・・・

景清の娘人丸姫は、父を訪ねて鎌倉までやってきました。
しかし、すでに父は亡くなっていて会うことはできませんでした。

人丸姫は、その菩提を弔うために、土牢の傍らに草庵を結び、
景清の守り本尊だった「十一面観音」を祀ったといいます。

十一面観音

人丸姫が亡くなった後の庵は、廃寺となっていましたが、
江戸時代になって妙丘という尼によって、向陽庵として再興されたといいます。

しかし、その向陽庵も廃寺となり、
本尊の十一面観音は、海蔵寺に安置されているということです。


扇ヶ谷には、人丸姫の塚があったといいますが、
現在、その塚は大町の安養院に移されています。